197鞍め:マチカネレツジツ 短鞭

なぜか時間がたつのがはやい。が、なぜか、は、わかっている。あの世の岸が見えてくると、こっちの時間が恥じらって消滅しはじめるのだ。
もっとも、岸が見えてきたからといって、すぐにそこに到達できるとは限らない。だいいち、いつから見えはじめたかにしても、もう覚えてはいない。

いくつかブログに書きたいことがあって、ああしんどいなあ、眠いなあと毎日をすごすうち、どんどん書きたいことが増えていく。そして増えたぶん、最初の項目から消えていく。

・・・いけない、いけない。愚痴っている時間がもったいない。

7月9日 197鞍め
マチカネレツジツ O先生

最初の常歩が出ない。必死になっているうちに、草を食べられてしまった。しまった。不利だ。
常歩が出ても速歩が出ない。キャクの効く位置が思っているより前の方らしい。
先生「膝が鞍の膝当てのところにつく位置の真下が、キャクの位置です」
なるほど。

そういえば、この日は最初から短鞭を持っていた。
レッツを洗い場から出して歩きかけたとき、先生が、洗い場で何かおっしゃっている。
先生「この・・・は、ミランダさんのじゃないですか」
うーん、聞き取れない。「・・・」って、何?
何度か聞き返して「鞭」だとわかった。
「ムチ」と言われたのは、初めてだから、聞き取れなかったのだ。先生、それは短鞭(タンベン)です。

もともと若いときから聞き取りにくい帯域があった。低い声が聞き取りにくい。会社では、外線を取るのが怖かった。誰からかかってくるかがわからないからだ。が、要件は聞き取れるので、名前を聞き返してもわからないときは、そのまま担当者に電話をつなぎ、「誰からなのか、聞き取れない」と、謝ることがよくあった。

最近思うのだが、わたしは聞き取るとき、文脈から言葉を想像して聞き取っている。日常的に使わない単語は、聞き取りが難しい。
日本語すら聞き取れないのだから、英語なんか聞き取れるわけがない。

あ、それた。
で、この日は最初から短鞭を持っていた。今までは、途中から持たされることはあったのだが。
レッツは圧迫だけでキャクが効く馬なのだが、最初から短鞭を持たされたて勝手が違い、また動かなくて焦っていたこともあり、キャクが不必要に強かったようだ。
レッツが振り向いて、ジロリと見る。「合図がわかりません」「何が言いたいんですか」「ぶきっちょ」
ジロリとやる馬はたぶん、レッツだけじゃないかな。
若いときのレッツはジロリとやらなかったけど。・・・あ、その頃は調馬策で、先生の合図で動いていたんだった。

駈歩。
なかなかうまく出せない。出た、と思っても、すぐに止まってしまう。ほんの数メートルしか続かなかった。
あああ、レッツでガンガン駈歩できていたときがあったのにな。

「馬の調子もありますからね」と、先生。

この日のレッツは3回跳ねて暴走しかけた。1回は、車のエンジン音が大きかったのに驚いたのがわかった。あとの2回は、何に驚いたのか、全くわからない。
O先生が、その度に「大丈夫ですよ」と声をかけてくださった。が、わたし、レッツの跳ねには慣れてしまったので、あまり怖くはない。今までも、必ず止まってくれたので。
前にも書いたと思うが、これを他の馬でやられたら、あと怖くて弱気になると思う。

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騎乗中はうまくコンタクトできなかったが、それ以外のときは、レッツと良い関係だった。写真で見てもわかるが、耳伏せのレッツの耳が立っている! 咬まない!
やっと、人参をくれるお姉さんだと記憶してくれたのかもしれないな。うふ。

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人参をもらうときの目は、恍惚。
ありがとう、レッツ。またね。


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「この頃おれを載せてないだろ」と、サンタが言うので。
はい、載せましたよ。






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プロフィール

風のミランダ

興味の対象は演劇、映画、文学です。趣味は彫刻、写仏、乗馬など。何十年も生きてきて、話題盛りだくさん、といきたいところですが、あんがい狭い?