天女にあやされる

道ばたの小石ひとつにも存在する意味がある、とは認識しながらも、
えんえんと続く蒸し暑さに嫌気がさして、
わたしはこんなんでいいのだろうか、とか、つまんない存在だなあ、とか、
ぐちぐち思いしおれてベッドにはいった。

すると、目を閉じたとたんに、天女があらわれた。
といっても、薄闇のなかにぼうっとした線が浮きあがってきて、それが頭のてっぺんに大きな団子を3つのせた超古風な髪型の、ほかに色もないアニメのような顔になったというだけのことだ。

しかし、それは動くアニメだった。
まあでもこういう場合、静止したままの像というのは、かえって難しいけれど。

天女はおたふく顔で、それが、にまにまあ、とわたしに笑いかけてきた。
奥からあらわれた顔が、にまにまあとこちらへ近づいてくると、また別のおたふくが、にまにまあ、と首を傾げながら近づいてくる。

薄ぼんやりした像だから、はっきりはしないが、おたふく天女のすべてが同じ顔だった。

あまりに次つぎにその顔が、にまにまあ、とあらわれては、わたしに迫ってくるので、わたしは声をあげて笑いだしてしまった。そのとたんに天女は消えた。というより、あんまり笑えたので、わたしが目を開けてしまったのだ。

しおれた気分はすっかり消えた。わたしはにこにこしながら枕にギュッギュッと顔を押しつけ眠りについた。

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(もうちょっと可愛かったが、うまく描けない)



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その夜、夢にサンタが登場した。サンタがベッドに持ちこんだアイスクリームのカップにじっと目を注いでいる。するとソフトクリームの尻尾が空中にあらわれて、カップの中でニョロニョロとうず高い山になっていった。

たしかに、サンタの真剣な目つきは錬金術士のそれだ。いや、練乳術士と呼ぶべきか。

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こんな放射状の夕陽を見るのは、何かの前兆か、まだ夢の中なのか。

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黒い雨雲がたれこめる。空とベージュの屋根とのコントラストが、いつか見たホラーファンタジーの映画のようだ。

で、わたしの夢はいつさめる?




コメント

かやのたも

夢はほとんど見られません。
起きている時と夢の中と、人生を2倍楽しんでますねえ。

私は眠りについたと思ったら、もう朝です。
5分くらいしか寝ていないような気がするときもありますが、実際は5時間以上は寝ています。
良い夢ならどんどん見たいのですがねえ。

風のミランダ

Re: 夢
かやのたもさん、こんにちは。コメントありがとうございます。v-254

サンタの夢を見た、というのは、創作です。本当の夢ではありません。(だからサンタの写真の上に一応線を引いておきました)
天女は寝る前に見たので、これも夢ではありません。
あと、人生は夢だ、というのもあり・・・。

夢を見たいときに自由に見られると、楽しいでしょうね。

ein-apfel

ああ。いいなあ。
私も、天女に、にまあにまあと笑いかけて貰いたいよ。
にまあにまあにつられて、笑えたら最高。

スパーのレジで、丁度、あたった人が不愛想だと、私にも不愛想が連鎖して、いつもはねぎらいの微笑みを投げかけるようにしている警備のおじさんに、不愛想な私は、邪魔くさいところに、暑そうな制服を着て~と、ダメ出しの視線を投げかけている。

不愛想な夫。心が乾いて、つい、デパートのレジに並ぶ。天女のにまあに近いものを受け取るために、ガソリンと時間とお金を余分に使う。
だから、夫の不機嫌にも寛大なのだ。(*''▽'')

風のミランダ

Re: ああ。いいなあ。
ein-apfelさん、こんばんは。コメントありがとうございます。v-297

なんとお返事していいのかわかりません。みんなが楽しく暮らせるといいですね。
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プロフィール

風のミランダ

興味の対象は演劇、映画、文学です。趣味は彫刻、写仏、乗馬など。何十年も生きてきて、話題盛りだくさん、といきたいところですが、あんがい狭い?