京都:相国寺の夢窓国師像、同志社大学の学食

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相国寺、方丈の西側(だったと思う)

方丈の室内の奥には、観音菩薩の絵が掛けてあった。拝観場所にはその絵の写真があって、お坊さんが説明される。
「よくご覧になってください。この観音様の絵は、すべて経文で描かれているのです」

写真に目をこらして驚いた。髪のひと筋ひと筋、繊細な目のラインにいたるまで、ほんとうに、すべてが連なる文字でできている。こんなのははじめて見た。ふつうに線を筆で描くのさえ難しいのに、なんという離れ業。経をとなえながら、このこまかい経文を描きこんでいくときの意識状態を想像すると脳がぐにゃりとうねるようだ。

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開山堂の庭。白い砂利には龍安寺の庭のように模様がつけてある。

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上と同じ像の写真だと思うが、こちらは頭になにも被っていない。

相国寺は、12月15日まで「秋の特別拝観」となっている。ふだんはこの開山堂の夢窓国師像は拝めないのだと思う。
像はそれほど大きくない。等身大かそれよりちいさく見える。祀ってある場所は奥なので、拝観できる位置からはずいぶん離れていた。ちいさな像がその距離のために垣間見ることを許された貌特有の不可思議さと尊さをたたえている。近くに像の写真が2枚飾ってあった。優美で繊細な表現に感動した。

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なにげなく、金の細工がほどこしてあるのがいい。

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同志社大学の学食。ここで昼食をとる。本日のランチ定食は豚のソテー。ぶあついのが2枚もありましたよ。わたしはスパゲッティを食べたけれど。
おしゃれな建物、すてきにデザインされた食堂内。たくさんのメニュー。うらうら、うらやまし。
こんなところでランチを食べていたら、たのしくてしょうがないだろな、夢ふくらんで希望にもえて、なんて一瞬思ったけれど、どんなにおしゃれな環境にあっても、悩むときは悩むんだろな、落ちこむときは、ひたすら落ちこみ、テーブルの隅で裸足になり、涙でねずみなんか描いていたりするんだろな。

しぜん、何十年も前の、わたしたちの学食のメニューの話になった。
「カレーがあったね」
「え、おぼえてない」
「ほとんど汁だけのカレー」

うどんはおぼえている。素うどんだったような・・・。いや、油揚げがあったような気もする。
定食はコーンコロッケがふたつ、キャベツの千切りにたしか、たくあんが2枚ついていた。定食というくらいだから、毎日まったく同じコロッケだった。
カレー、定食、うどん、メニューはこの3種類しかなく、毎日まいにち、わたしはコロッケの定食か、うどんを食べた。毎日まいにち、飽きてもなんでも、それしかなかった。

小遣いがたまると、近くの清明山飯店に五目ラーメンを食べに行った。貧乏学生だったから、五目ラーメンはぜいたくなごちそうだった。

40歳頃に、愛知県芸大の学食を何回か食べる機会があり、そのときこんなにメニューが豊富なのかと感激した。豆腐ステーキをはじめて食べたのは、その芸大の学食でだったと思う。
もし、昼が粗食でなかったら、元気いっぱい暮せただろうか。いやいや、やっぱり、そういうものではないだろうなあ。あ、さっきと同じ文章になってしまった。それにしても、ランチでいろいろ選べるのは、ううう、うらやましいなあ。

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なさけない、食べものの恨みはこの川に捨てよう。

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草が川の流れに沿うように、わたしも川の流れるままに意地汚い思いを流し、透明の水に同化していこう。

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とかなんとかいうてるまに、はや平安神宮に着きにけり、や。

(つづく)

コメント

fermat

雪舟?

風のミランダ

Re: タイトルなし
fermatさん、こんばんは。コメント、ありがとうございます。v-254

食堂の隅でいじけて足元を見るとねずみがいて、その薄汚れた姿にじぶんを重ねあわせて哀れむイメージが浮かんだので、あんなふうに書きました。若い頃のわたしは、ひたすら暗かったのです。悩みの柱に縛られて、涙でイジイジねずみを描いていたようなものでした。歳をとったら見かけはふつうのおばさんになりましたが、今でもイジイジします。

なぜ雪舟のねずみをイメージしたのかはわたしにも謎です。
ところで、雪舟、いま調べたら、相国寺で修行したんですね。知らなかった・・・。

fermat

ふむふむ。それを知らずに、涙で描いたネズミの話を思いだしたのですね。遠い昔の記憶でしょうか、それとも何かの知らせ?

風のミランダ

Re: タイトルなし
fermatさんへ

最近、偶然がよく起こるので、もうその不思議さに慣れてしまいました。なにかの合図だとしても、上から見てるよ、というウインクぐらいにしか思えません。

ところで、ほぼ日手帳の来年版を買うと、いつも家族や友人の誕生日の「日々の言葉」欄を見ます。ちょっとしたお遊びの運勢占い。で、来年版1月6日の欄は、石川直樹氏でした。来年もfermatさん、ご活躍まちがいなし、ですね。(*^-^*)


fermat

えーーーーーーっ!
活躍間違いなしかどうかはさておいて、ミランダさんのおかげで(せいで?)、その糸井さんのサイトをよく読むようになり、ショウガの砂糖煮(?)を買ってしまいました(ケッコウタカカッタ(汗)。ジンジャエールが大好物で、何度か自作にチャレンジしたのですが、なかなか美味しくできなくて……。で、そのショウガの砂糖煮つながりで、なぜかパウンドケーキが作りたくなって、先日、3本も作ってしまいました。作って2週間目くらいがいちばん美味しくなるとあったので、でも、作ったらすぐに食べ始めるだろうから、たくさん作りました。というわけで、ミランダさんのおかげで(せいで?)、折角はじめた炭水化物ダイエット習慣が、大きく揺らいでます。あ、ラム酒につけ込んだレーズンをたっぷり入れたパウンドケーキは、ものすごく美味しく出来ました。2週間経つ前に、3本食べきってしまいましたが……^−^;;

風のミランダ

Re: タイトルなし
fermatさんへ

「ラム酒につけこんだレーズン」のところで、唾がでてきてしまいました。
わたしのせいでダイエットができないですって! だったらお教えします。ダイエットなんて簡単ですよ。食べなきゃいいんですから。

甘いお菓子を食べない。おかずから食べて、ご飯は最後にする。・・・ということを最近やっています。するとおかずでお腹がふくれて、ご飯の量が減り、お腹もへこみました。ふふふ。
炭水化物をまったく食べないのは、身体によくない、という説もあるようなので、ほどほどになさってくださいね。

それにしても、味噌煮込みうどんだけじゃなく、パウドケーキまで作られるのですね。いいなあ。うちはわたしが風邪で寝ていても、水とスポーツドリンクだけ枕もとに置かれてほうっておかれます。

ほぼ日の製品は高いですが、それなりに素材がいいです。でも、やっぱり高いなあと思います。
わたしは金時ショウガ末を常備していて、寒気がするとお茶にいれて飲んでいます。ショウガを砂糖と一緒に摂らなければ、ダイエットにもいいですよ。はいはい、よけいなお世話でしたね。

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プロフィール

風のミランダ

興味の対象は演劇、映画、文学です。趣味は彫刻、写仏、乗馬など。何十年も生きてきて、話題盛りだくさん、といきたいところですが、あんがい狭い?