• 『京都・イケズの正体』石川拓治著 感想
    『京都・イケズの正体』石川拓治著   先頃話題になった別の著者の『京都嫌い』を読んでいないが、見出しやコメントは目にしたことがある。京都に住む著者の「京都嫌い」だから、読者はイケズについて「あるある」と、溜飲をさげたり、矜恃や劣等感をあじわったりする内容のものらしい。  ところで、『京都・イケズの正体』の著者は茨城出身の東京人である。よってこの本は、若い頃からの京都好きが高じてどうしても京...
  • 『吉野弘 詩集』
    たまたま本屋で目にはいり、何十年ぶりかで詩集を買った。『吉野弘 詩集』(ハルキ文庫) 二人が睦まじくいるためには愚かでいるほうがいい・・・という帯の「祝婚歌」のことばに惹かれた。有名な、有名すぎる詩人だそうだが、不分明にしてわたしは知らなかった。しかし、「夕焼け」という詩の、電車で娘がとしよりに2度席をゆずり、3度めはゆずれずにいる光景を描いた文章は、どこかで読んだことがあった。可哀想に娘はう...
  • 『茶色のシマウマ、世界を変える』 石川拓治著
    『茶色のシマウマ、世界を変える』 石川拓治著-----日本初の全寮制インターナショナル高校ISAKをつくった小林りんの物語周囲のシマウマとは異質であると感じていた茶色のシマウマ=小林りんは、日本の高校を中退して、カナダの全寮制ピアソン・カレッジに入学した。しかし、そこで茶色のシマウマはアイデンティティ・クライシスをあじわい、じぶんが普通のシマウマであったことに思いいたる。これは小林りんが、ピアソン・カレッ...
  • 「またや見ん・・・」 鷹狩にてよめる?
    またや見ん交野のみ野の桜狩花の雪散る春のあけぼの   皇太后宮大夫俊成(藤原俊成) 交野=かたのまた見ることがあるだろうか、いや、もうないだろう。交野の桜狩りの、花が雪のように散る春のあけぼのを。「交野の桜狩りで、花とともに一夜を明かし、今、曙を迎えて、雪のように乱れ散る花の美しさに酔いながら、ふと、自身の余命の短さが脳裏をよぎったのである。哀艶な歌境である」・・・『小学館日本古典文学全集:新古今...
  • 小悪魔的男子:ジルベール
    小悪魔的男子で思いうかぶのはピーター(池畑慎之介)で、現在のピーターは妖女という存在かもしれない。しかし、それとはべつに、わたしのなかで圧倒的な存在感をもつ小悪魔的男子は、『風と樹の詩』のジルベールだ。竹宮恵子『風と木の詩』、萩尾望都『ポーの一族』、山岸凉子『日出処の天子』、いずれも1970年代から80年代に話題をあつめた少女漫画で、わたしはこの本を、6歳下の女の子の薦めで読んだ。おませな小学生が...

プロフィール

風のミランダ

興味の対象は演劇、映画、文学です。趣味は彫刻、写仏、乗馬など。何十年も生きてきて、話題盛りだくさん、といきたいところですが、あんがい狭い?