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中村彝:『大正の肖像画』と、『新宿ベル・エポック』

5月の名演例会は劇団民藝『大正の肖像画』(吉永仁郎作)である。
4月の初めに学習会があり、主演の中村彝役のみやざこ夏穂さんが名演会議室でお話しされた。
超満員だったのは、みやざこさんのファンが多いせい?

まず、中村彝に関して、名演幹事のIさんがお話しされた。「中村彝アトリエ記念館」まで出かけて調べられたのだ。みやざこさんのお話の前座という触れ込みだったが、内容豊富で熱意がぐんぐん伝わってくる。

2週間前のことなので、Iさんのお話か、みやざこさんのお話か、混同した記憶になってしまったが、お二人のお話による中村彝とは・・・。

明治20年、茨城県水戸生まれ。名古屋の陸軍幼年学校に入学。17歳で卒業するが、その直前に肺結核が見つかる。(ああ、名古屋の結核菌を拾ってしまったか、と申し訳ない気分になったわたし)
肺結核のせいで、その後東京幼年学校を中退。病気が理由で財産相続から外され、療養生活をおくる。そこで絵の勉強を始め、画家となる決意をする。

新宿中村屋のアトリエに禄山が住んでいたが、彼の急逝後、中村彝が住みつく。
相馬夫妻の娘をモデルに油絵を描く。が、娘の裸婦像を発表したことで相馬夫妻とのあいだに確執が生じ、中村屋のアトリエを去る。

以後、37歳で亡くなるまで画業に打ち込む。

(17歳で結核になり、以後20年生きたのは、ひょっとしてカビの生えた土鍋のご飯を食べていたから? ペニシリンは、カビでしょ。なんて、不謹慎なことを思ったわたし)

ちなみに、確執が生じる原因となった「少女裸像」は、愛知県美術館所蔵とのこと。

さて、ふたりのお話はわたしの簡単すぎるまとめでは、その全容を伝えられないのだが、お話を聞きながら、その当時の中村屋サロンの雰囲気をよく思い描けたのだった。
というのも、じつは、3年前にこんな本を読んでいる。
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左がその本『新宿ベル・エポック』石川拓治著、右は中村屋サロン美術館のしおり。

この本は、相馬夫妻と禄山を中心に描かれているが、禄山の死後の第4章では中村彝のことも書かれている。(インド人ボース、ロシア人エロシェンコなども)
中村彝については少ししか書かれていないが、サロンに集った人々や相馬夫妻のことなど、当時のサロンの雰囲気が生き生きと伝わってくる。
相馬愛蔵がどういう人だったか、学習会で紹介されたように、単によそに愛人を作っただけの人ではなく、彼の先見性や思想がともかく深いことに感動する。禄山の情熱と悲しみ、相馬良の非凡さもよく描かれている。

『大正の肖像画』を観る予定のかたにお薦めの一冊。ちなみに、石川拓治氏は中村彝と同じ水戸出身。
(例会担当の方たちは、中村屋サロン美術館を訪れたり、サークル会があるたびに中村屋の月餅を食べたりしていた由)

そして、これは、
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同じ著者の今年4月の新刊。





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風のミランダ

Author:風のミランダ
興味の対象は演劇、映画、文学です。趣味は彫刻、写仏、乗馬など。何十年も生きてきて、話題盛りだくさん、といきたいところですが、あんがい狭い?

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