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名演総会記念講演:井上麻矢氏 「ニックネームは陽水!」

演劇
03 /26 2018
3月24日 大須観音。
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この近くの会場で名演の総会があり、記念講演をされたのは、
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井上ひさしの三女、こまつ座代表井上麻矢さん。

(全国の演劇鑑賞会の会員が減り続けていて、名演も例外ではない。名古屋の劇場もどんどんなくなっていく。厳しい状況である)

鑑賞会も、東京の劇団も、厳しい状況は同じです、と井上麻矢さん。
「こまつ座の累計赤字は、名演の赤字の一桁多い額です。でも、お金が回っていけば、それでいいんです。最近そう思うようになりました」・・・と、サラリーマン家庭に育ったわたしには、衝撃のひとこと。
(あ、もっと大切なことを書かなくちゃね)

「劇団も鑑賞会も続けることに意味がある。続けるには、理念が必要不可欠である」
「いろんな新しい試みを取り入れるにも、しっかりした理念がないといけない。基本がブレてはいけない」
「こまつ座の理念とは、演劇で、平和活動をするということ」
「最近特に思うのは、だいじなものを、だいじな人に引き継いでいこうとしているから、活動しているということ」

『夜中の電話ー父・井上ひさし最後の言葉』より、特に演劇に関係のある言葉を引けば、
1:大変な世の中だからこそ、目標を立てなさい。(お金は回っていればいい)
2:何かに進んでいくときは、立ち止まったら絶対うまくいかない。
3:自立しないと、本当に人を助けられない。
4:悪いことばかり考えて進むと、そちらに行ってしまう。良いことを具体的にイメージしなさい。人は誰も頭の中に不安の虫を飼っている。退治はできないが、飼いならすことはできる。
5:逃げ道を作ってはいけない。
6:種を蒔きなさい。今は芽が出なくても、ひょんなことで芽が吹く。
7:チケットが売れないのは、死に物狂いでやってないからだ。
8:仕事に行く前に、今日はこれをする、と意識すること。
9:責任を持つことは楽しいこと。

井上ひさしの9か条を聴いていて、わたしは人間失格といっていいくらい、ダメ人間だな、と思った。
特に痛い言葉が、「逃げ道を作るな」

が、これは、こまつ座を背負っている井上麻矢さんへの言葉であって、お気楽で凡人のわたしへの言葉ではないのだ、と思い直した。(つまり、逃げ道を作った)
わたしのやってきたことといえば、ほうぼうに逃げ道を作り避難することであって、逃げ道もこれだけたくさん作れば、蟻の巣みたいに絵になるわ、なんて、まあうそぶくことになるのだけれど。

ところで、何十年も名演の会員であり続けたのは、もっぱら井上ひさしとシェイクスピアの作品を観たいからだった。井上ひさしが日本のシェイクスピアと言われているのは、あとで知った。
これは心外だ。井上ひさしは日本のシェイクスピアじゃないよ。井上ひさしは、井上ひさしだよ。

ところが、井上麻矢さんが嘆いていらした。
「子供のニックネームが、井上、という姓のため、『陽水』でした。井上ひさしと井上靖の区別もつかない。まだ、井上靖と間違えられるなら、それはいいのです。でも、若い人たちにとって、井上は、井上陽水以前がないのです。あれほど苦労して、頑張って、父はやってきたのに」

・・・と、これはファンのわたしにも驚愕の内容だった。
いやいや、とわたしは思う。井上麻矢さん、そんなことはないですよ。井上ひさし先生は、別格ですよ、これからもずっと!


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風のミランダ

興味の対象は演劇、映画、文学です。趣味は彫刻、写仏、乗馬など。何十年も生きてきて、話題盛りだくさん、といきたいところですが、あんがい狭い?