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結局は鴨鍋がいちばん

わたしは水瓶座なんだけれど、水瓶座の期間て、1年のうちでいちばん短いような気がする。
太陽が自分の星座に来るときは幸運が訪れる、ということになっていて、いつもどんな幸運があるのかしら、と期待して、なんだか忙しくしているうちに、あっというまにすぎていく。なあんだ、もう幸運の期間は終わりなのか、と思う。

幸運の期間に本当に幸運だったこともあり、大泣きしていたこともあったな。
占星術的には、水瓶座と同じ風の星座に太陽が巡ってきたときも幸運ということになっている。
けれど、それを意識することはあまりない。

幸運も不幸も、来るときには来るし、来ないときには来ないさ。
暴風のような感情の揺れを経験していた若い頃にくらべると、いつでもぼんやり幸福かもしれないし、ぼんやり不安かもしれない。

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意識とは、この木を照らす光のようなものだろうかと、ふと思う。
意識は景色をカービングしていく、モデリングしていく。
幸福も不幸も、この木を照らす光の諸相にすぎない。

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「おい、ミランダ」と、サンタが鋭い声で呼ぶ。

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「このあたりは木違いが多いようだ。木をつけなくちゃならない。昨日も干からびた鬼の死体があがったそうだ」

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「おれは今朝からずっと哨戒しているんだが、肝心の木偶には出会わないのさ」

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木偶? 鬼? あれは鴨でしょう、サンタ。

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意識より強い光にさらされるとき、鴨が消える。
さざなみたつ神の鍋のなか。

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「へーい、にいさん、ネギひと束追加ね」





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風のミランダ

Author:風のミランダ
興味の対象は演劇、映画、文学です。趣味は彫刻、写仏、乗馬など。何十年も生きてきて、話題盛りだくさん、といきたいところですが、あんがい狭い?

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