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初春先斗で「ぽんっと、舞う」前進座公演 感想

「ぽんっと、舞う」って、チラシのキャッチコピーがいいね。
内容をよく知らずに申し込んでしまった。去年観劇バスツアーで味をしめた(?)Mさんがまた行きたい、といったことも大きかったけど。
 名演(名古屋演劇鑑賞会)の例会では、なかなか観られない内容でもあるし。

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去年も今年も、初春にふさわしく、はなやかでめでたい演目。
お昼の食事でちょいとご酒などはいった人もあり、なかば眠っていてもめでたさで幸福感あふれる内容となっている。こういう「うきうき」の気分って、たぶん舞台を観ることの原点なんだろうな。

1:舞踊
『初姿先斗賑』(はつすがたぽんとのにぎわい)
正月に江戸吉原で飲んでいた若旦那とたいこ持ちが、あまりにめでたい気分なのでそのまま京都先斗町まで出かけていく。途中豊橋あたりで狐に化かされて狐の舞いあり、念願の先斗町では舞妓の踊りありで、楽しさいっぱい。
本物の先斗町の舞妓さんふたりの特別出演。初々しい。はなやか。わあ、本物の舞妓さんの踊りを見ちゃったわ、と、感激した。お座敷で観る機会はないですからね。
花道を帰っていくときに、真っ白化粧の舞妓さんの目尻に、キリッと赤いラインが見えたのにも感激。

狂言舞踊『棒しばり』
酒好きの太郎冠者と次郎冠者。出かける用のできた大名は、自分が留守の間に大事な酒をふたりが飲んでしまうのでは、と心配でたまらない。そこで、うまく騙して次郎冠者を棒で縛り、太郎冠者を後ろ手に縛って出かける。が、ふたりは踊りながら工夫して、しこたま酒を飲むのだった。

2:『唐茄子屋』
日本橋の大店の息子徳三郎は廓通いの道楽がすぎて勘当されていた。3日ほど食うや食わずでフラフラしているところを、伯父が家へ連れてきた。伯父は徳三郎の性根を叩きなおすため唐茄子(カボチャ)売りをいいつける。

徳三郎はしぶしぶ天秤棒を担いで唐茄子売りに出かけるが、なかなか売れない。そこへ通りかかった男が、自分の住む長屋へ案内し、住人たちが唐茄子を買ってくれる。

最後に唐茄子を買ってくれた母子家庭の家で徳三郎が弁当を食べようとしたところ、お腹をすかせた子供がいたので弁当をあげ、売上金まで全部あげてしまい、意気揚々と伯父の家に戻る。

母親(おたね)は、金を徳三郎に返そうとして追いかけたが、大家に見つかり、滞納した家賃の足しにと、全額大家に取られてしまう。悲観したおたねは首を吊るが・・・。

・・・と、ストーリーを全部紹介してしまうとまずいかな。

大団円なので、おたねは危ないところを長屋の住人たちに助けられるのだけれど。

終演後の交流会で、前進座の役者さんが、「『唐茄子屋』はどうでした? いい話ですよね」と、感想を皆に聞かれた。誰も感想をいわなかったと思う。
わたしは去年観た『文七元結』のほうが良かったな、と思ったが、去年の演目の感想もなんなので、黙っていた。
『唐茄子屋』は正月にふさわしい人情喜劇で、いい話ではあるが、あまりにストーリーが単純だと思った。『文七元結』のように、川に身を投げようとしたわけでもないし。

ところが、家に帰って夫に『唐茄子屋』のことを話したら、少なくとも落語では『唐茄子屋政談』といい、憎らしい大家を懲らしめる場面があるのだという。しかも勘当された徳三郎が、川に身を投げようとする場面もあるのだと。

なるほど、チラシをよく見ると、たしかに落語の『唐茄子屋政談』を舞台化したものだとある。上演時間の都合で短くしたのだろう。河原崎國太郎演じる徳三郎の不甲斐ないおぼっちゃまぶりが、おもしろかったけれど、ストーリーをスリムにしてしまうのは難しいな。物語の起伏を貴ぶか、客の忍耐を慮るかの二者択一の結果なのだろうけど。

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さて、来年の前進座初春公演は、先斗町歌舞練場ではなくて、南座でもなくて、京都駅に近いところと聞いた。90年前の昭和2年にできたこの歌舞練場、トイレは古くて数も少なくて使いにくいが、中はこじんまりとして趣があった。玄関をはいると天井のたくさんの提灯でお祭り気分になった。もうここへ来ることはないかしら。
あれこれ、むずかしいことはいわず、考えず、ひたすらめでたさに浸るのも、たまにはいいものだと、思った。なんだか江戸時代のお正月にワープした気分だったよ。










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唐茄子屋政談の前半部分を志ん生が演った噺が大好きで、100回は聞いたと思います。ナマで聞いたことはないですが、モチロン……。若旦那が唐茄子を売りながら、吉原で遊んでいた頃のことを回想するところが、聞けば聞くほど、じわじわ良くなってきます。ああ、また聞こう^−^

Re: タイトルなし

Sheherazade さん、こんばんは。コメントありがとうございます。v-254

100回聞く、というのがよくわからないんですが、本当に100回? 50回くらいなら、部分的にロミオの英語の甘〜いセリフを聞いたかもしれないけれど。もちろん、生ではなく。
前進座の「唐茄子屋」では、吉原の回想は全くありませんでした。落語を知っている人が観たら、ずいぶん印象が違うかもしれませんね。

ある時期この落語のCDがクルマのデッキに入れっぱなしになっていて、クルマに乗るたびに聞いていたので、100回以上は聞いたなあと……。今は文楽の明烏が入ってます^−^

Re: タイトルなし

Sheherazade さんへ

車だと、志ん生では寝てしまいますが、文楽なら聞き取れるので、起きていられるかもしれません。(^ ^)

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風のミランダ

Author:風のミランダ
興味の対象は演劇、映画、文学です。趣味は彫刻、写仏、乗馬など。何十年も生きてきて、話題盛りだくさん、といきたいところですが、あんがい狭い?

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