悲観、楽観に傾かず、水平飛行でまいります。上空、笑い、いささか寒うございます。お乗りのかたは、マフラー、手袋をお忘れなく。
Mさんもわたしも飲めない。飲み会の帰りに、ひとりで飲んだような真っ赤な顔をして、照明のあかるい電車に乗るのがひどく恥ずかしい。
けれど、帰らなくていいなら、少々飲んで赤い顔をしていたところで、路地千鳥ご機嫌の赤き提灯ぶーらぶら、だからね。

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交流会では、ふたりとも、グラスに半分だけビールを飲んだ。Mさんはその後ウーロン茶。わたしはノンアルコールビール。居酒屋がすこし寒くて、グラス半分のビールではさすがに酔わなくて、途中から妙にさみしい気分になった。

飲める人の体感はあまりわからないが、酔いがさめていくときって、やっぱりこんなにさみしいのかしら。
こういうときは家でなら、ノンアルコールビールにウィスキーかブランデーでもいれるんだけど。

さて、Mさんとわたし、飲めないから、交流会ではグラス半分でやめておき、その後、目的のバーへ向かった。
ホテルのフロントで印刷してくれた地図があった。祇園のバー。フロントで道順を教えてもらったが、それは南座のほうからはいる道で、がんこ亭からは三条大橋を渡っていく。もらった地図はそのあたりが跡切れていて、肝心の路地へはいる道がわからないのだった。

夜、10時頃だった。三条大橋から東へ行き、この辺り、と見当をつけて南へ曲がる。けれど道が何度も跡切れるし、人気はほとんどないしで、もうわからなかったらわからないでいいや、という気分になった。
が、そのうち、なんとなくそれっぽい通りにでた。
そして、見つけた。

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見あげて、あ、これね。

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これだ、これだ。「喫酒 幾星」

けれど、入り口がわからなくて、また看板のところに引き返し、まちがいないよね、とたしかめる。
矢印があるものね。

意を決してドアを押した。

え、なにが冒険譚?  と、いわれるかもしれない。冒険ですよ。だって、ふたりとも飲めないのに、バーにはいろうってんだから。
しかも、わたしたち、だれかに連れてきてもらった、という経験はわずかにあるが、自分から店にはいったことは1度もない。

こんばんは。よろしいでしょうか?  
どうぞ、といわれて、ホッとする。

カウンター席を勧められたが、ふたつ並びで空いていなかった。今、空けますよ、といわれて、実際空けてくれたのだけれど、気おくれして、テーブル席についた。
後からすぐに女性がひとりはいってきて、カウンター席についたので、やっぱりテーブル席でよかったと思う。?

フェイスブックを見て訪れたことを告げ、ふたりとも飲めないので、あまり強くないものをというと、それならアルコール濃度を半分にしてお作りします、といわれ、またホッとする。
おまかせで、作っていただいたのがこれ。

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ゆず、生姜、ウオッカ

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金柑、青山椒、ラム

カクテルはほとんど知らないけれど、たぶんふたつとも、意外な組み合わせだと思う。
が、金柑と山椒は同じ科に属するので、合うのだそうだ。金柑を煮た汁もはいっているとのこと。
わたしもMさんも、こちらのほうが気にいった。爽やかな金柑の甘みと青山椒の芳しさが、病みつきになりそうな味わい。

お店のご主人は、もう少しお歳を召した方だと想像していたが、若い!
Mさんは、翌日、「素敵な人だったよ」と、他の人に話していた。たしかに。

しかし、素敵なのは、容姿だけではない。というより、わたしはフェイスブックのカクテルの写真に惹かれ、最近は、なんて素敵な文章だろうと思い、1度行きたい、でも、行けないだろうなあ、と思っていたのだ。

最初は、東京のバーだと思っていて、そのうち祇園のバーだと気づき、ああ、祇園か、やっぱり縁がないだろうな、となかば諦めていたのだった。だって、バーだもの。祇園だもの。

うふふ。今、これを書いていて、そのときのアルコール濃度半分の気持ちのいい酔いを思いだしている。さっき料理に使った酒粕で今もいい気分になっちゃっているが、祇園のバーでの酔いは格別だった。

帰るとき、ご主人がドアの外まで出て見送ってくださった。恐縮。
え? 初めての客だから? いや、FBの友人の名前を出したからかな。
(ぼくかな? て。そうです、そのぼくサンです。直接紹介していただいたような気分です。ありがとうございます)

夜、11時頃の祇園界隈は人がいっぱい。名古屋が夜が早いと腐されるわけだ。
下戸のふたり、千鳥足にもならず、無事近くのセントラルインに到着した。

Mさん曰く、「なんか、おとなになった気分」
ほんと、ほんと、おとなになった気分。で、幾つやねん。
じつはその日は、Mさんの誕生日なのだった。

ところで、ゾロ目だけれど。
この日の前夜、家で寝る前に見たデジタル時計が、11:11。
この日の午前に、バスの中で見た時計が、11:11。
夜、ホテルのベッドサイドの時計が11:11。

そして、頭が興奮して眠れなくて、途中で起きてスマホを眺め、寝ようとしてボタンを押し、あ、今何時だったかな、ともう1度ボタンを押したら、時計が3:33。
 
次の日はバスの中で、3:33、4:44、5:55、と、しつこく3回見た。
もうもう、けっこう。無事なれば。

(つづく)








[2017/01/27 22:30] |
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scheherazade
おお、あの店に行ったんですね。けっこうわかり難い場所なのに、よくたどり着けましたねえ。いろんな意味で、さすがの嗅覚です(パチパチ)。僕もその金柑と山椒のカクテル、大好物です^−^

Re: タイトルなし
風のミランダ
scheherazade さん、こんばんは。コメントありがとうございます。v-254

いろんな意味でさすがの嗅覚? 何でしょうね。またお話し聞かせてくださいね。
あのカクテルの山椒の芳香に、このあいだ、山椒をお買いになって、何にでもかけて食べている、幸せな気分です、という言葉を思い出していました。甘ったるい香りではないのに、本当に、幸せな気分になるのは何故でしょう。香りって、ふわっと膨らむんですね、胸のあたりで。


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おお、あの店に行ったんですね。けっこうわかり難い場所なのに、よくたどり着けましたねえ。いろんな意味で、さすがの嗅覚です(パチパチ)。僕もその金柑と山椒のカクテル、大好物です^−^
2017/01/28(Sat) 16:30 | URL  | scheherazade #fWRVdsCY[ 編集]
Re: タイトルなし
scheherazade さん、こんばんは。コメントありがとうございます。v-254

いろんな意味でさすがの嗅覚? 何でしょうね。またお話し聞かせてくださいね。
あのカクテルの山椒の芳香に、このあいだ、山椒をお買いになって、何にでもかけて食べている、幸せな気分です、という言葉を思い出していました。甘ったるい香りではないのに、本当に、幸せな気分になるのは何故でしょう。香りって、ふわっと膨らむんですね、胸のあたりで。
2017/01/28(Sat) 20:01 | URL  | 風のミランダ #-[ 編集]
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