悲観、楽観に傾かず、水平飛行でまいります。上空、笑い、いささか寒うございます。お乗りのかたは、マフラー、手袋をお忘れなく。
今回の公演は、前進座創立85周年、京都初春公演40周年記念ということだ。
名演の1月の京都観劇ツアーは、今年で8回めくらいとのこと。
わたしは初参加だ。
歌舞練場での観劇、祇園での昼食と、わたしにとってはその後も初体験つづきだったが、それはまた後ほど。

『雪月花源氏旗挙ー牛若丸』
第1幕 伏見の里 雪の場
源平の戦いに敗れ、源義朝の側室常盤御前が幼い牛若丸を抱いて、雪の降りしきる伏見の里へ逃れてきた。追っ手に捕らえられたところを、平宗清のはからいによって無事落ちのびる。

第2幕 五条橋 月の場
少年に成長した牛若丸と弁慶が、格闘の末、主従の契りをかわす。

第3幕 鞍馬山 花の場
烏天狗相手に剣術の稽古に励む牛若丸。弁慶を伴い、名を源九郎義経と改め、源家再興のために陸奥国秀衡のもとへ出立する。

花道のすぐ脇の席なので、白塗りの手や衣装の模様など間近に見られた。ちょっとしたハプニングがあったのも生の舞台ならでは。
題名の雪月花、これを「みつもよう」と読ませる。なるほど。

『人情噺 文七元結』
圓朝の人情噺が原作。
博打と酒浸りの毎日の左官の長兵衛。歳の暮れも越されぬほどの窮状で、見かねた娘お久がみずから吉原に身を売ろうとする。吉原の女将はお久に心を動かされ、来年の大晦日までお久を店に出さないで下働きをさせるという約束で、長兵衛に50両を貸す。

長兵衛、その帰り道、川に身を投げようとする若い男、文七にでくわす。聞けば文七、掛け取りの50両を盗まれた、もう生きていけないと、いうが早いかまた川に身をのりだす。長兵衛が抱きついて止める、何度もなんども。

長兵衛、50両を文七に渡せば、お久を吉原から身請けできない。といって文七を見殺しにもできない。苦渋の決断、ええいと長兵衛、その50両を文七に投げ与え駆け去った。

長屋に戻った長兵衛は女房お兼に説明するが、どうせ博打ですったんだろ、と信じてもらえない。
翌朝、文七とその主人が長兵衛の長屋を訪ねてくる。
文七が盗られたと思った50両は、じつは掛け取りに行った店にそのまま忘れてきたのであり、無事に戻ったので50両を返しにきたのだ。

ところが、いったん出したものは受け取れねえ、という江戸っ子の意地を見せる長兵衛。
すったもんだしているところへ、身請けされたお久が戻り、しかも文七の嫁にと願いでられる。

この機に暖簾分けで店を持てることになった文七は、考案した元結を売りたいと主人に願いでて、快諾される。お久も文七も見つめあって大いに照れる。
万事うまくおさまって、めでたし、めでたし。
(落語では、その後、文七考案の元結のおかげで商売繁盛、めでたし、めでたし、で終わるそうだ)

ところで、京都観劇ツアーに参加したきっかけは、この『文七元結』を観たいからだった。
題名を知ってはいたが、内容を知らない。有名なので観てみたい、と思った。
が、上演前にあらすじを読んで、あ、これはテレビの舞台中継で観た、と思った。そうか、これが『文七元結』なのか。
生で観たから、もう忘れないわ。

さすが有名な演目だけあって、演出も練りに練られていて、細部が楽しめる。
例えば、女房お兼が着ている着物を長兵衛に貸してしまったので、客人にみすぼらしい姿を見せられず、衝立の向こうに隠れている。長兵衛が、50両は受け取れねえ、というたび、すっと衝立から出てきて、すったもんだし、また衝立の向こうにすっと消える、そのタイミングがじつにいい。

切羽詰まった状況から、一転思わぬ幸運が舞いこむのは、感情のジェットコースターに乗っているようなもの、あるいは感情の筋トレか。エキスパンダーで感情の筋肉伸びに伸びて、気分爽快。
両演目とも、新しい年にふさわしく、めでたい芝居で、ほんわか気分で会場を後にした。

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休憩時間。ここは扉の外の喫煙所。景色の撮影にもってこいの場所でもある。

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対岸。

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終演後、がんこ亭の地下で役者さんとの交流会。

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わたしの斜め向かいのこの席は、
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お久役の有田佳代さん。席を立って、みんなの前で挨拶されている。
間近で拝見すると、本当に綺麗だ。やっぱり女優さんだね。

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居酒屋で、泳ぐように動き回って、挨拶の面白かった上滝啓太郎さん。(烏天狗と女形)
他にも役者さんが、4〜5人参加されていた。

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これは、出席者のある方がお持ちの新幹線の定期券。ゴールドだぜ!
散りばめられた星型⭐️マークが眩しいぜい。
週に何日通っていらっしゃるんですかと、お聞きしたら、週7日だそうで。

ところで、50ちょっとすぎの男性がふたり、わたしの席の近くにいた。飲み放題なので、次つぎに注文して飲み干して、平気な顔をしている。驚いた。すごい酒量だ。

そういえば、昔、彫塑教室での飲み会で、やはりその頃50代くらいだった男性ふたりが、相当の量を飲んでいた。そのうちのひとりは、その後、免疫性の難病にかかった。もうひとりも、あまり健康とはいえないようだった。そのふたりは、酔っ払っているのがよくわかる状態になるまで飲んでいた。

老婆心ながらご忠告申しあげます。50歳をすぎたら、自分の身体を過信してはいけません。飲むんだったら、せめて1年に1回は、健康診断にでかけましょう。
美味しく飲めるあいだは大丈夫? いやいや、美味しくなくなったときには、もう遅い。美味しいうちに検査して、ちゃんと自分の身体のことを知っておきましょう。

・・・ああ、やだやだ。やっぱり、老婆心だよなあ。

さて、次回は、Mさんと深夜のデート。Mさんは女性ですけどね。

(つづく)






[2017/01/26 21:00] | 演劇
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